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歩道橋工事費巡り奈良県と香芝市が対立!
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市の負担分も払うことになれば知事は提訴の可能性!
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国道168号拡幅に伴う歩道橋架け替え工事の費用負担を巡って、奈良県と香芝市で意見が対立している。市は「市の都合で生じた工事ではない」などとして工事費の一部の支払いを拒否したが、山下真知事は3月4日の県議会で「負担費用については基本協定で合意を得ている」などと反論。損害賠償を求めて提訴する可能性にも言及した。県市が費用負担を巡ってもめるのは珍しい。
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県は「基本協定で市が負担に同意している」として約5100万円を請求。市は「協定に基づく手続きに誤りがある」などと支払いを拒否しており、3月7日、県を相手取り、債務不存在の確認を求める訴訟の提起を決めた。
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問題になっているのは同市上中の国道168号に架かる歩道橋。市立旭ケ丘小の通学路にもなっている。市が1995年に架けた後、県による国道拡幅工事に合わせて県が2024年に架け替えた。
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県によると、架け替えの費用は約1億3200万円。このうち約5200万円を負担する委託契約を歩道橋所有者である市に結ぶよう求めている。以前の歩道橋の撤去費の一部や、新設に伴い耐震性能を以前より高める費用などから構成される。歩道橋の新設費は県が負担する。
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市は25年1月までに県に要望書を2回提出。「新歩道橋は国道拡幅工事に伴うもので、市が拡幅と旧歩道橋の撤去を望んだものではない」などと訴え、老朽化で落ちた価値の回復分にあたる約2200万円しか負担しないとして委託契約締結を拒否している。
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山下知事は、荒井正吾前知事と福岡憲宏前市長が工事開始前の22年6月に締結した基本協定書に「市負担額は概算総額6000万円」「工事費用は進捗を踏まえて別途委託契約で定める」などの記載があると紹介。「道路拡幅にあたって歩道橋の存廃を両者で協議した際にも、架け替えたいとしたのは市」と語った。
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山下知事は、工事受注業者への支払いが迫っているとし「市の負担分も払うことになれば、それは県の損害。その場合、損害賠償を求める裁判に向けた議案を6月定例会に提出することになる」とけん制した。
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三橋和史市長は「委託契約を結ばないまま工事を実施していて、県の事務的ミスだ。また、委託契約について定める基本協定も24年末で有効期限が切れている。違法な事務に対して公金を支出できない」と語り、争う姿勢を明確にした。
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一部の負担を求める県に対し、市は3月7日、その必要はないと確認する訴訟を起こすと決定。三橋和史市長が「県の主張は暴論に近く、裁判になっても市が勝つだろう」と話せば、山下真知事は13日の定例記者会見で「県が100%勝つ。市側がなぜ裁判に持ち込むか理解しかねる」と反撃し、泥仕合の様相も呈している。
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県は2022年6月に市と結んだ基本協定書を根拠に、工事費総額約1億3200万円のうち約5144万円の負担を市に求めている。市はこれまで「先に工事をしてから事後的に委託契約を結ぶのは問題」「基本協定書は有効期間が過ぎている」などと主張。
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これに対し山下知事は13日、「費用は工事完了後にしか確定しない。工事後に委託契約を結ぶことは明白だった」と反論。「協定書の有効期間が過ぎたのは市が工事が終わっても委託契約を結ぼうとしなかったからだ」とも訴えた。
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一方、県が損害賠償を求めて市を提訴すると示唆していたことについては「(市の裁判が終われば)さすがに払うと思うので、県から提訴する必要はない」と話した。
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